2010年4月15日木曜日

初めに by 山本豊津

東京画廊は2010年で創業60周年を迎えます。

私の父、山本孝が銀座に数寄屋橋画廊を開いたのは、私が生まれた1948年です。私の弟・田畑幸人が生まれた2年後の1950年に、名前を東京画廊へ変え、店を西銀座七丁目の並木通りへ移しました。父の美術商としての出発は、古美術店の平山堂から始まり、母の喜代子と結婚して、28歳の時に画廊を持つことができました。

古書画専門の平山堂を辞め、洋画を扱う画廊をなぜ開いたか、いろいろな話を聞かされましたが、真実は彼岸へです。父が平山堂を辞める日に清水楠男氏(後の南画廊オーナー)と出会い、一緒に画廊を始めることになったらしいです。志水氏は私の弟の名付け親です志水氏は後に父と別れ、南画廊を開きました。シュウゴアーツの佐谷氏の父上、佐谷和彦氏が働いていた画廊です。佐谷氏は後に佐谷画廊を開きました。

また、東京画廊という名は、この道の先輩である長谷川仁氏の経営する画廊だったと日本洋画商史に書かれています。長谷川氏は1932年に日動火災の社長から誘われ、銀座に移ってきました。その時、画廊名が東京画廊で、その後日動画廊に名を変えています。

父は長谷川氏にかわいがられていたので、先輩の画廊名をいただいたのかもしれません。

*写真:山本孝(中央)、志水楠男(最右)               

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